中国の最年少億万長者CEO

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アップルは、中国の最年少億万長者CEO、
チェン・ウェイ(33)に数十億ドルの投資をしました。

チェン・ウェイ氏が自身の
car-riding会社(Didi Chuzing)を立ち上げたのは
2012年6月、彼が29歳の時でした。

現在、弱冠33歳という若さで、
創立4年の彼の会社はアップルから
20億ドルの投資を受け、
中国においてUberの規模を凌ぐ勢いに成長しました。

30代そこそこの若者が、
一体どうやって僅か4年の間に急速に
ビジネスを成長させることができたのでしょうか?

では、チェン・ウェンの成功の秘訣を
3ステップに凝縮してお話ししましょう。

あなたも今日から真似できるヒントがあるかもしれません。

ステップ1 – 学びながら稼ぐ。

新たに事業を立ち上げる前、
チェン・ウェイは20代の
7年間をアリババで過ごしました。

最初は営業を担当し、
後にAlipay(アリババのPayPal)を担当しました。

これらの経験なくして、
Uberがアメリカでスタートした年と時同じくして
中国でカーシェアリング会社を立ち上げる
という先を見越した洞察力を持った判断は
し得なかったでしょう。
信じられないことではありますが、
年間10億もの乗車率を誇る会社を
設立しておきながらも、
チェン・ウェイ自身は免許を
持っておらず車を運転することができません。

しかし彼は、車が運転出来ないことを
ハンデと捉える代わりに、

「自分で車を運転出来ないということは、
つまりどこに行くにも乗せてもらう
必要があるわけで、結果として自分の
会社の素晴らしい顧客でいることができる」

と考えていました。

彼は毎日、自分の会社の車に顧客と
一緒に乗車することで、顧客の視点で
日々気づきを得て学んでいるのです。

ステップ2 – 「繋げるひと」であれ。

チェン・ウェイ曰く、設立当初は大変でした。

「会社を立ち上げた当初は
予想もしていなかったよ。
激しい競争や政府の規制、
大企業同士の複雑な絡みや、
IT企業としてメディアに
大々的に取り上げられたりする
なんていう色々な問題を
自分達が経験することになるなんてね。」

様々な競争相手や政府の規制に
苦戦した最初の数年を乗り越えて、
チェン氏は昨年大きな一歩を踏み出しました。

最大の競争相手であったKuaidi Dache と
60億ドルの合併をし「Didi Dache」となったのです。

これによって、両者の出資者である中国最大手の
テクノロジー企業であるバイドゥとアリババを
共有する合弁企業となったのです。

つまり、最大の競合相手と手を組むことにより、
競争から抜け出したのです。

「友を近くに置け。敵はもっと近くに置け」-(孫子の格言)

ステップ3 – 目的を見失わないこと!

今日、チェン氏の会社の中国におけるシェアは、
タクシー呼び出し市場において99%、
民間者サービス市場の87%です。

また、Uberの事業展開が45都市であるのに対し、
Didi Chuxingは400都市以上で展開しています。

チェン氏はいかにしてこのような
独占市場を築くことができたのでしょうか?

中国の交通の便を良くするために、
ぶれることなくターゲットを定め、
常に目的を見失わなかったのです

(彼は事業展開に際し中国しか視野に入れませんでした) 。

だからこそ、アップルの目に留まり、
まさに10億ドルもの投資を
受けることができたのです。

アップルのこの投資は、
アップルにとっても今年最大の投資となりました。

チェン氏は、次のように言います。

「アップルから投資を受けた
ということは、アップルに
認められた証であり、
設立4年目の我々の会社に
とって非常に意義深く、
また大きな励みとなりました。
Didi は今後も運転手、ユーザー、
パートナーと力を合わせ、
私たちの都市の交通、環境、
雇用の課題に取り組むため
すべてのエネルギーを投入していきます。」

たったひとつの決断によってDidiは、
今後やってくるであろう技術的破壊
(新参者は既存のルールを打ち破る
ことができるという考え方)の波に乗り
「中国の都市における環境汚染を解決する」
という大きな使命を果たす第一歩を踏み出したのです。

先月北京で開催されたグローバルモバイル
インターネットカンファレンスで
チェン氏は次のように語りました。

「Didiが目指すのは、この都市化する
環境の中で、ライドシェア、電気自動車、
民間自動車テクノロジーが繋がり、
ユーザーと運転手のニーズに
応えることができるオープンプラット
フォームを作ることです。」

(Didiの正式登録名称は「Xiaojo」で
「小さいオレンジ」という意味です。
後にWeiboから、アップルが投資した
のは共にフルーツの名前がついている
からじゃないかと冗談にされました。)

チェン氏のストーリーから学んだことは何ですか?

あなたが学びながら稼ぐためには何が出来るでしょうか?
誰と手を組んだら良いでしょう?

取捨選択をしてたった一つ目的を定めるとしたら、それは何でしょうか?
もしあなたが現在ビジネスを
スタートしたばかりだとしても、
または社内外における困難に
直面している成長期にあるとしても、
4年間で20億ドルを生み出した
チャン氏のストーリーから
学べることがひとつあります。

それは、

正しいギアを、正しいスピードで、
正しいタイミングで切ることができれば、
トラブルを振り払い加速することができるということです。

「成功という名の道路にスピード制限などないのだ」―デイビッド・W・ジョンソン

(8月1日の追記)
チャン氏はこの度、最大の合併に乗り出しました。
最大のライバル会社であるUberを買収したのです。
8月1日 DidiとUber Chinaは合併を発表しました。

合意の下で、 Didiは中国におけるUberの
全ての運営権を得て、Uberは350億ドルに
相当するDidiの株式の20%を保有することになります。

これは、10週間前にアップルから受けた
10億ドルの75%増加した200億ドルの
査定見込み額となります(前述の投稿参照)。

また、DidiはUberに査定見込み額
680億ドルとなる10億ドルを出資します。

結果としてUberはDidiにとって最大の株主となり、
DidもまたUberの主要株主のひとつとなったのです。
新しい経済パラダイムの中では、
もはや「競争」は価値を生み出さず、
「協力」こそが価値を生み出すのです。

あなたが手を組める最大のライバルは誰ですか?