人は何にお金を払うのか?

今日は、
「人は何にお金を払うのか?」
をテーマにお話をしていきます。

なぜ、この話をするかというと、
我々のところに、
起業や集客、売上…

これらに関する悩み相談を
お寄せいただくことが多いのですが…

多くの人の話を聞いていると、
そもそも「人は何にお金を払っているのか」
考えずに価値を提供している人が多すぎる。

どれだけいい商品やサービスを持っていても、
これをわかっていないと、
価値を受け取っていただくことは不可能だし…
ファンになってくれることもない。

どうやって起業しよう?
どうやって集客しよう?
どうやって売上をあげよう?

そう考える前に、
一度自問自答してみてください。

「人は何にお金を払っているのか?」と。

 

セミナー業界に18年、どっぷり浸かり、
会社員経験もない私が、
全く未経験のアパレル分野に参入し、
すぐに結果を出せた理由は、
今日のこの話を理解しているからです。

これをわかっていれば、
自分が経験をしたことがない
新規市場でもちゃんと価値を提供して
結果を出すことができます。

 

■何にお金を払っているのか?

マーケティングの世界で、
この質問をすると多くの人が、

 

  • 問題解決のためにお金を払う
  • 欲求を満たすためにお金を払う

 

と、答えるでしょう。

例えば、

 

  • お腹が空いたから(問題)何か食べる(欲求を満たす)
  • 体調が悪いから(問題)病院に行く(解決)
  • 非日常を味わいたいから(欲求)旅行に行く(満たす)
  • モノが壊れたから(問題)修理する(解決)
  • 飽きたから(欲求)新しいものを買う(満たす)

 

こういったところです。

まぁ〜言ってしまえば、価値の対価として
お金を払っている感じです。

 

確かに、お客様は、
何らかの問題を解決しているか、
何らかの欲求を満たしているかもしれません。

実際のところ、
ここで勝負しようと思うと、
価格競争に巻き込まれます。

相手と短期的につながることはできても
長期的につながることはできません。

そして、物が売れないと言われているこの時代に
「悩みの解決や欲望に人はお金を払う」と、
思い込んでしまっているとしたら…

今までやっていることがうまくいかなくなり、
徐々に結果が出なくなっていることでしょう。

 

ですが、大丈夫です!

 

明確な答えが出ない場合は、
この先を読み進めてください。

この話を知らずして
どれだけいい商品を作っても
集客しても長期的に、
結果がついてくることはないでしょう。

 

3分でこの先の記事が読めます。

そして、記事を読み終わる頃には、
我々が取るべき戦略が明確になるでしょう。

 

■コノテーションにお金を払う

今回の

「人は何にお金を払っているのか?」

これに対する答えは、
哲学者がすでに教えてくれています。

 

フランスの哲学者である
ロラン・バルトが提唱した概念

「デノテーション」「コノテーション」

これもその一つです。

 

デノテーションとは、
直接的な意味。

コノテーションとは、
間接的な意味のことです。

 

例えば「ベンツ」と聞いて
あなたは何を思い浮かべますか?

実は「ベンツ」という言葉には、
2つの意味が存在しています。

一つは、デノテーション。
ドイツのダイムラー社のブランド名。

もう一つは、コノテーション。

 

  • 高級車
  • セレブ
  • お金持ち
  • 社長

 

など…、間接的な意味です。

 

さて、あなたはベンツと聞いて
何を思ったでしょうか?

きっと、高級車とかセレブとか…
そんなイメージではないでしょうか?

そのイメージを得るために
「ベンツ」を買う。

高級ブランドを買う。

 

そう、これが
今回のテーマの答えにもなります。

 

我々は、モノや機能、コンテンツ、情報
これらにお金を払っているのではなく、
それを手に入れた先のイメージ。

もっと言えば、
「意味」にお金を払っています。

ですから、
何かものを売りたい時、
我々がやることは、ただ一つ。

 

「意味」を魅せるということです。

 

これについて、
フランスの哲学者でもあり思想家の
ボードリヤールはこういっています。

※ここでは、わかりやすく
「記号」を「意味」に置き換えています。

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現代消費社会には
「差異の原理」が働いている。

あらゆる商品やサービスは、
その「機能」ではなく、
他者との差異を生み出す
「記号(意味)」によって選ばれている。

 

現代において商品の役割は、
本来の使用目的から
自分の個性や他者との
違いをアピールするための
「記号(意味)」に変化した。

 

消費欲に所有は関係ない。

すでに持っているからといって
不必要にはならない。

どういうことかというと、例えば、
用途が同じであるはずの鞄を
いくつも所有している人がいる。

すなわち、鞄の機能ではなく、
鞄の「ブランド」という記号(意味)に
お金を払っている、ということ。

 

現代消費社会において、
個人の実体は記号の差異への欲望に変わる。

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ボードリヤール曰く、
私たちは記号(意味)を消費している。

いかがでしょうか?

これをわかっていれば、
我々がとる戦略も明確ではないでしょうか?

ボードリヤールの言葉で
注目したいのは、
“差異”という部分です。

まさに、これが
我々が取るべき戦略の
ヒントとなっています。

 

■差別化ではなく差異化をする

巷では、「差別化」をする必要がある!
なんて、言われてますが…

実は、差別化なんてする必要ありません。

 

正直なところ、
私は差別化なんて一切していません。

なぜなら、
差別化をすればするほど、
その他大勢に埋もれるからです。

我々が取るべき戦略は、
差異化です。

 

では、差別化と差異化は
何が違うのでしょうか?

差別化とは、
他との優劣を判断すること。

差異化は、
全く違うものとして区別することです。

競合がたくさんいる中で、
結果を出している人は、
この差異化がめちゃくちゃ上手い。

 

もう少し具体的に事例でお話しすると、
例えば、バルミューダをご存知ですか?

4万円以上するデスクライトや、
3万円のトースターを販売していることで
有名になった会社です。

 

3,000円以下でデスクライトや
トースターが買えるこの時代に
なぜ「3万円のトースター」
爆発的に売れたのでしょうか?

 

成功要因はいろいろありますが、
もっとも大きな要因は
「差異」を見出すことができたからでしょう。

バルミューダは、
家電を売っていますが、
家電を家電としては売っていません。

インテリアとして販売しています。

だからといって性能に
妥協しているわけでもありません。

性能がいいのは当たり前。

バルミューダは、家電に
新しい「意味」をつけて
ヒット商品を生み出し続けています。

 

バルミューダの先駆けとなったのが、
デザイン家電を販売しているamadanaですが…

他にも、スターバックスも同じです。

有名な話ですが、
スターバックスは、
コーヒーを販売していません。

彼らは、
“サードプレイス”を提供しています。

何をお伝えしたいかというと、
差別化をしようとしている人たちは、
成功者の真似をすることで、
自ら失敗の道を歩んでいます。

 

真似をしていいのは、
その市場のNo.1だけです。

それ以外の人は、
真似をすればするほど、
レッドオーシャンに自ら入って行っています。

業界No.1ではない人たちが取るべき戦略は、
バルミューダやスターバックスが取った戦略。

新しい意味を見出し、
新しい市場を生み出す、
“差異化”です。

 

そして、
その差異化をするのに
必要となる視点が他業種の常識です。

もし、あなたが、
本当に自分の価値をお金に変えて
世の中をもっと良くしていきたい!
と思うのであれば……

同業者の成功事例を
真似するのはやめましょう。

そして、
どうすれば「意味」を見出すことができるのか?
他業種からヒントを得てください。

 

私が、新規市場に参入し、
アパレルブランド
「Sorge(ゾルゲ)」を立ち上げて、

世の中に溢れかえっているような
財布やPCバッグ、
サングラスなどを販売しても
即、お金にできる理由は、
「差異化」をしているからです。

 

これができれば、どの市場に参入しても
ちゃんと価値をお金に
変えることができます。

 

あっ!
言い忘れましたが……。

どれだけかっこいい肩書きをつけても
どれだけいい商品を作っても
「意味」が見いだせないと絶対に
売れないので気をつけてくださいね。

 

提供しているものに
価値があるのも当たり前。

集客をするのは、その後です。

ブランディング=コノテーションですから。

 

今回の話に興味がある方が多い場合は、
次の機会にこの続きの話も書きますね。

では、また。

 

浅山 佳映子(クリエイター)